PIMET2022参加報告

 

COVID-19のため2年間開催が見送られてきたPICMET国際学会が、2022年8月に3年ぶりに開催された。オレゴン州ポートランド市で開催されたPICMET2022を報告する。

PICMETはPortland State UniversityのDepartment of Engineering and Technology Managementを母体として設立された非営利団体が中心となり開催されているMOT関連の国際学会である。1989年に「Technology Management: The New International Language」をテーマに初めて開催された。発足当初は2年に1回の開催だったが、2004年から毎年開催されるようになり、2019年には30周記念大会を開いたほど由緒ある国際会議である。COVID-19のために2020年と2021年は開催が見送られ、2022年8月に3年ぶりにオレゴン州ポートランド市で開催された。

(PICMETシンボルマーク 画像をクリックするとHPに飛びます)

今年のPICMETには、34か国の200以上の大学、政府機関、企業の研究者から、837本の論文が提出され、2段階の厳格な査読プロセスを通った193本の論文発表があった。

会議は、2022年8月7日から11日までの5日間にわたって行われた。初日の8月7日は、Ph.D Colloquium(博士学生会議)とオープニングパーティが行われ、8日から11日までは、毎朝、著名な研究者を招聘してのPlenaries(全体セッション)が開催された後、分野ごと7つの部屋にわかれたパラレルセッションが4日間終日行われた。パラレルセッションの後の夕刻には、出席者が一堂に会して毎晩パーティが開催され、参加者同士で活発な情報交換や意見交換が交わされた。

とりわけ9日の夜には「Awards Banquet(受賞の祝宴)」が開催され、博士学生論文の優秀賞(Student Paper Award)が発表されたほか、今回新たにPICMET fellowsに選出された研究者11人が表彰された。この11人には、米University California BerkelyのHenry Chesbrough教授や米MITのJames M. Utterback教授など日本でも著名な研究者が含まれた。

(DoubleTree by Hilton Portlandにて開催)

PICMETは生産管理を含む幅広い研究分野をカバーする、いわばオムニバスな国際会議であり、国際的にも注目度の高い、そしてprestigiousな(評価の高い)国際会議である。何よりの魅力は、ブレックファーストでベーグルをかじりながら、コーヒーブレイクでコーヒーをすすりながら、そして夕方のキャッシュバーでビールを片手に、世界からやってきた多様な研究者と意見交換・情報交換ができる点だ。日本生産管理学会の参加研究者にも今後是非積極的に参加していただきたい。(了)

(PICMET President & CEO のDr.Dundar F.Kocaoglu氏と筆者)

 

(文責:大阪大学 三森八重子 dt4y-mtmr@asahi-net.or.jp)