関西支部新資本主義研究会について
主査 入江安孝
昨年1月ダボス会議で、格差是正や環境問題への貢献により長期的な成長をめざすという目的で、「ステークホルダー資本主義」への転換というテーマが確認されました。今年1月のダボス会議は、オンラインで開催されましたが、年次総会は5月にシンガポールで開催されることになりました。
この提案を受けてから、「新資本主義研究会」を開催することに決めました。
新資本主義は、上記の環境を改善するのに、「サーキュラー・エコノミー」や「カーボン・ニュートラル」の課題を抱えています。また、企業が存在する地域社会だけではなく、仕入先やその置かれている地域社会の課題まで解決して行こうとするものです。
上記の課題は、「SDGs研究部会」とオーバーラップしておりますので、昨年度は2つの研究会を同時開催してきました。今年度も同時開催で行います。
新資本主義のもう1つの側面は、「脱物質化」です。「モノ」の「所有」から、「モノ」が持つ機能の「提供」という形に変わってきました。これをPaaS:Product as a Serviceと言います。この手の言い方は、MaaSやCaaSなど多くあります。所有の形態から機能・効用の利用の形態へ移行しております。
1980年にA.トフラーは「第三の波」で社会変革の予想をしましたが、現在ではその予想を遥かに超える変革を来しております。それは、ITの進歩が予想以上に・幾何級数的に発展しました。それは第4次産業とも呼ばれ、AI, BigData, BlockChainなどの発達が寄与するとこが多いのです。
さらにA.トフラーは、「富」とは経済学でいう「効用」を所有することだと言い、第三の波の体制はサービス、思考、知識、実験に基づくものという性格が強くなるとしています。彼の予測が当たっている・いないに関わらず、すでにそのような社会構造に変革して行っております。
このような変移を追いかけると、大きな社会変化から一企業の行動まで多くの事例を挙げることができると思います。事例検証を中心に研究材料は多くあると思われますので、これらを持ち寄っての事例研究を中心に当研究会は進めて行きたいと考えております。
是非ご入会戴きたいのですが、一言だけでも言わせて欲しいという飛び入りでも構いません。多くの皆様のご参加をお待ち致しております。
(記事は2021年2月1日現在の内容です。直近の内容についてはSDGs研究会「連絡先」入江安孝氏 までお問い合わせください。)